L.D.HOMES BLOG
設計事務所の今日
もうすぐ2021年が終わりますね。
「師走」の名のごとく、やはり年の瀬はいつにも増して早く過ぎるものだなと感じます。
個人的な話をしますと、先日体調を崩しました。
喉の乾燥と鼻声から始まり、これはよろしくないと感覚的に察知したのもつかの間、
その日のうちにぐーーーんと体温が上がり。
体質なのか分かりませんが、寝込むほどの体調不良になることが4,5年に1回くらいのペースでしかなくて、
久々にきたと思ったらなぜこのタイミングなのだと心の中で独り言ちておりまして。
こんなにも新型コロナウイルスがどうだとか騒がれている時に。ほんとに。
普段だったら発熱でわざわざ病院には行きませんが、さすがにこのご時世なので行きました。検査も受けました。
何事もありませんでした。
ただの従来の風邪だったようです。そして長引くことなく回復しました。
そんなこんなで過ごしておりましたが、早いもので今週で仕事納めでございます。
今年度の冬季休業は12/29(水)~1/6(木)となっております。
⇒NEWS「年末年始のお知らせ」
特別なにかしらの変化があるわけではありませんが、
年明け1/7(金)よりまた改めてよろしくお願いいたします。
それでは皆さま、よいお年を。
L.D.HOMES
Written by nakamura
ご無沙汰しております。
まさか前回更新から2カ月も経っているとは思いませんでした。
12月になりましたね。2021年も終わりますねぇ…
厚手の上着が必須となった時節、大阪にて引き渡しを行いました。
私がL.D.HOMESで働き始めたのは約2年半前ですが、それよりも前から土地探しを含めて打ち合わせを重ねていたそうで。
ようやくの完成に感慨もひとしおといったところでしょうか。
さてさて、私がこの物件に関わったのは図面作成と申請業務です。
そのうちの申請について少し。
家を建てる時には建築確認申請というものが必要になります。
「これからこの場所に建てようとしている建物は建築基準法に適合しています!」と証明するための申請です。
申請書類には様々な法律を持ち出して適合している旨を示していくのですが、
扱うのが戸建てだけなのでどの物件でもほぼ同じ証明を行います。
ただし今回は1つ特別な存在がありました。
それは、道路です。
道路そのものはどの物件にも絡む必須の存在なのですが、今回は一味違ったのです。
これは過去にも説明しているかもしれませんが、建物を建てようと思うと接道義務なるものが発生します。
「建てようとしている敷地が、幅4m以上の道路に2m以上接していないとダメですよ!」という内容です。
このように。
では、敷地が道路に2m以上接していても、その道路の幅が4mないという敷地には建てられないのでしょうか。
基本的には建てられます。
今回の道路は建築基準法第42条2項に定める道路、俗にいう2項道路です。
そうです。以前書こうとしてデータが消えてしまったテーマです。
実際に2項道路の現場が動いていたので、その温度感のままお伝えしたかったのですが……。
ざくっと説明しますね。
今回の道路幅は一番広くて約3.1m、一番狭い場所だと約2.5mしかありません。4mないですよね。
さて、どうしましょう。
ここで登場するのが「セットバック」
なんぞ?と思われる方がほとんどでしょうが、これ自体はそんなに難しいことではありません。
ひとつの例として、このように道路中心線から水平距離2mまで敷地境界線を一斉に下げるのです。赤色の線がそれです。
これはつまり、自分の敷地が減少することを意味します。
このあたりは画像を見てへぇ~という程度に流しながら読んでください。
セットバックした場所(=新たな敷地境界線)には縁石を敷設しました。
ここが境界線です!ちゃんとセットバックしました!と示すためです。縁石の敷設は自治体の指示です。
(今後のためにも資料として写真に収めておくべきだった…)
このようにしてセットバックは完了です。
建築確認申請の書類にはこれらの事項の記載が必須になります。
他の法適合も含めて問題がないと判断されれば、確認済証という証書が発行されます。
これをもって工事を始めることができます。
この手続き自体はそこまで難しくありませんが、2項道路で難しいのは実際にセットバックするための工事の時だなと感じました。
道路の幅が一定、敷地境界線が直線などであれば分かりやすいのですが、
道路の幅が一定でない、敷地境界線が複数回折れ曲がっているため直線ではない、となると、
正確なセットバック位置を割り出すことの難易度があがるのです。
工事のための作図手順はこちら。
①測量図や境界確定図を基に作図ソフトで道路の正確な位置を描き出す
↓
②道路中心線を求め、そこから敷地側へ水平距離2mの場所に線を描く(以後、後退線)
↓
③後退線と他の絶対に動かない物との距離を作図ソフトで測り、図面に記載する
①②は確認申請書類を作成する段階で既にクリアしている項目です。
③なんですよ、難所だったのが。
道路に敷設してあるマンホールを基準とするのか、道路を挟んだ向かいの敷地境界線を基準とするのか、自分の敷地内の別の敷地境界線を基準とするのか。
結局4枚ほど描いて、上記のどれでもなく「建物の角を基準とする」測り方に落ち着きました。
一部を切り取るとこのような感じでございます。
2つの★の場所を見ていただくと、どちらも青と赤の線が1本ずつ伸びていますね。
青と赤それぞれの線がたどり着く先をご覧ください。同じ色が同じ場所にたどり着いていますよね。
これは、辺の長さのみが分かっている三角形をコンパスを用いて描く方法を利用したものです。(この例え伝わっていますか…?)
異なる場所からそれぞれの半径で円弧を描き、2つの円弧が交わる場所が求めている点になります。
これ私の世代は小学校4年生あたりの算数で習った記憶があるのですが、皆様はどうなのでしょうか…
まあそれはともかく、このようにしてセットバックを行いました!というお話でした。
年内にもう1回くらいは更新したい所存でございます。
皆様お体にお気を付けくださいませ。
それではまた。
Written by nakamura