
便利な家より気分よく過ごせる家をめざして
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お気に入りの家具やアート、植物を置いて作りこんでいくシンプルな箱が理想だったDさん。色や素材、空間の広さにも徹底してこだわりぬき検証を繰り返すことでできあがったのは綿密に計算しつくされたシンプルな箱でした。
結婚して家族との将来を考えたら家を建てたくなりました。
というのも当時住んでいた家はコンクリートと鉄の家で、カッコイイけど夏は暑くて冬は寒い住むには厳しい環境だったんです。
冬は部屋でもダウン着て室内ブーツ履いてましたからね・・(笑)
そうそう、それと子供が生まれたら危ない家だったしね。
はじめは土地を購入した不動産会社にデザイン住宅を得意とする会社を何社か紹介してもらいました。2〜3社と打ち合わせして図面も作成してもらいましたが、何かしっくり来なかったんですね‥
それと並行して自分でもいくつか気になる会社に資料請求したり、内見会があれば参加して何軒か見たりもしました。
実際に家を見たり会社の方とも話してみてやっぱり違うなと‥
デザイン住宅といってもいろいろあるじゃないですか。デザイン重視で住みづらそうだったり、デコラティブなヨーロッパ調だったり。
でも自分的にはまずシンプルな箱がイメージにあって、そこにお気に入りの家具を入れてアートや植物を置いて生活して、初めて自分たちの家って考えていたので、計算しつくされた箱が理想にあったんです。
それと会社によっては設計士が先生と呼ばれてるところもあって、間に営業さんがいて「先生、お願いします」って・・汗
私はパートナーというか一緒に作りましょうというのが希望だったのですぐにないな・・と。
はい、その後エリアを広げて探していたら関西に何社か気になる会社を見つけ、まずは一番気になったLDさんに連絡しました。
幸いLDさんは東京にも事務所があって顔合わせしたのですが、とても話しやすくて最初の打ち合わせから盛り上がったんです。
話を聞いてLDさんの得意とするデザインコンセプトがまさに自分たちの建てたい家のイメージだったのですぐに図面の作成をお願いしました。
それから3週間後にプレゼンしていただいて、自分たちの求めることをしっかり汲んでいただいたプランだったので、正式にLDさんにお願いすることにしました。
3案あってどれも良くて迷ったんですけど、その中でも一番シンプルなのを選びました。
実際に進めていくにあたってどのようにご夫婦で準備を進めて来られたんでしょうか。
まず家に関する最低限の知識と自分たちが住みたい家のイメージをしっかり持ってから進めたかったので、たくさんの本や雑誌を読みました。
私も何冊かススメられて読みました。
洗練されたインテリアで飾られた空間は圧巻。オブジェが引き立つシンプルな空間づくりを心がけた。
2〜3週間に1回の打ち合わせに向けて、貴重な時間を最大限有効に使うべくとにかく準備しましたね。
仕事から帰って夜中図面を眺めながら一つ一つコレでよいのか・・ココはこうしたらどうなんだろう・・と気になること洗い出して、それを妻に話し意見を聞いて相談事や要望をまとめた上で打ち合わせに臨む感じでしたね。
そうそう、朝起きるとリビングのテーブルにいっつも図面が・・笑
玄関や階段やキッチンスペースは図面だとイメージしづらいので、図面の寸法に合わせて家の床や壁にマスキングテープを貼って、広さや高さを実寸の3次元で体感・確認するようなこともしていました。
休みの日にはよく家散歩もしました。
家散歩=いろんな家を散歩して見て回ることです。(笑)
家の外壁の素材や色、表札、窓、外構など参考になるものはないかと。はじめは近所を散歩していたのですが、そのうちクルマ出して洒落た家が多く建つエリアに足を延ばしたり・・
LDさんの手掛けた家の表札と雨樋を確認するため、車を出して見に行ったこともありました。笑
実際に見ないとわからないことってたくさんあるからね。
とにかくたくさんの家を見て参考にしました。
表札は最終的にLDさんに紹介していただいたステンレスの立体切り出し文字を壁から浮かして取り付けるものにしたんですけど、文字のデザインもかなり検証しました。
少しずつ違う文字のデザインを並べてどれがよいと思うか、気になるところはあるかとか、しつこく意見を聞いて来るんです。(汗)
妻にこれがいいんじゃないって言われても自分的にまだ納得できなくてしつこく直してまた見せての繰り返し。笑
全部ですね?本当にすべて隅々までこだわったので。
特にと言われると、ん?なんだろ・・床と外壁かな?。
床材は幅の広い無垢のオーク、塗装は自然オイル塗装で色はグレーを希望しました。
当時LDさんの手掛けた家でグレーの前例がなかったので、何度かテスト塗装してサンプルで確認させていただきました。そのサンプルを昼間の自然光や夜のダウンライトの下に並べて確認したりと徹底的に検証して色を決めましたね。
昼間の自然光や夜のダウンライトの下に並べて確認したり、東京から大阪へ足を運んだりとこだわりぬいた床材。
そうだったね、床材も朝起きるとリビングの床にサンプルが並べてあって片付けると次の日また並べてあるんです。(笑)
床材も外壁も家の印象を大きく左右するじゃないですか。ちょうどその頃、設計を担当していただいた田村さんの新居が床をグレーにすると聞いて、まだ施工途中なのにお願いして大阪まで確認しに行ったこともありました。
だけど田村邸は床材も塗料メーカーも違ってあまり参考にならなかったなんてことも・・(汗)
そのついでに田村さん運転のLDカーで大阪の手掛けた家に連れて行っていただき外壁の白さも確認させてもらいました。(笑)
行動力ハンパないよね。(笑)
仕事の合間を縫って大変でしたけど、実際に足を運んで得られることって大きいんですよ。
外壁はLDさんオススメの白よりもっと白くしたくて、外壁のショールームに行ってみたら白MAXという新色があったのでその色でお願いしました。
色にこだわり、外壁のショールームに直接足を運び見つけた白MAXの外観(あいにくの雨でした)
私はアイランド型のオールステンレスキッチンが理想だったので、打ち合わせでその話をしたら、LDさんがサンワカンパニーのステンレスキッチンを紹介してくれました。
実際にサンワカンパニーのショールームに何度も足を運んで、寸法やコンロのタイプやレンジフードなど吟味して決めました。
キッチンの収納は設計段階では造作家具の話もあったのですが、キッチンまわりはオールステンレスでまとめました。
大きくて収納がたっぷりあって使い勝手がよいのでよかったです!
ミニマムなデザインでまとめたキッチン廻り。ステンレス素材のキッチンは奥様のこだわり。
広くて天井が高い開放的なLDKが気に入ってます!
20畳以上のLDKを希望していたんですけど、ギリギリまで広く設計していただいて23畳もあって大満足です!
設計途中は家の強度の問題か何かで柱が必要かもとなって嫌だったんですが、LDさんにうまく設計していただいたいて柱ナシの大空間になったのでよかったです。
リビングから見える空と松と大木もいいよね。
この土地を購入した時に二階をリビングにして窓から景色が見たいという思いがありました。
横に広い大窓にしていただいたので抜けがよくて気持ちいいんですよ。
それと私は一見シンプルだけど綿密に計算しつくされた設計そのものを気に入ってます。
設計途中あれこれ細かいことも言いましたが、意向を汲んでいただいて機能美を追求したような設計です。
もう一つ、LDさんオリジナルの建具や階段、玄関のドアなどパーツパーツがとにかくシンプルでスッキリしていて気に入ってます。
最初にも話しましたが前の家がコンクリートと鉄の厳しい環境だったので、木造住宅は温もりを感じるし冬は暖かいな?と実感しています。床を無垢材にしたので床暖房にはできなかったのですが全く必要ないです。
窓もペアガラスで気密性があって、冬でも天気の良い日は暖かいので日中は暖房いらないよね。それと電気代が前の家の半分以下になって家計的にも助かってます。(笑)
景色が抜ける高さに窓を配置することでプライバシーと開放感を確保した明るいリビングに。
間取りも二兎追わず、削ぎ落としたのがよかったよな。
うん、機能的でシンプルな間取りなので、生活しやすいし掃除もしやすい。あ、2階トイレのTOTOネオレストも汚れがつきにくくて掃除がとっても楽です!(笑)
洗面スペースを広くしたのもよかったな。
うん。住み始めて数ヶ月して子供が生まれたんですけど、洗面が大きいのでベビーバスチェアが置けてシャワーができたり、洗面台も広いので着替えができたり赤ちゃんにもってこいの洗面所です。
無駄なデザインを省いた鉄骨階段。階段下も素敵に演出。
とにかくすべてのことにおいて徹底的に検証。他の家など実際に見れるものは見て、イメージを持って家づくりに取り組むのが大事だと思います。
家づくりで理想を追求して行くと、どうしても予算の壁が立ちはだかると思います。その時には家族でよく話し合い、優先順位を決めることが大事ですね。
こだわる部分は諦めずに貫く、逆に優先順位の低いところは潔く諦める決断力も必要。
こだわったところは自分たちの家への愛情にもつながるので、どこか一つは自分たちらしさを追求することをオススメします。
余談ですけど、、大島社長が最強の雨男なんですよ・・汗
確かに?地鎮祭のときも、家の完成のときも、家の内見会のときも、大島さんが来てくれると土砂降りだったね?
イニシャルDハウスの外観写真が暗雲の中、ズブ濡れ状態・・。
こだわった外壁の白MAXが薄いグレーに・・みたいな。汗
いつか快晴の青空の日に外観を撮り直してください。笑
Dさん、奥様、インタビューご協力ありがとうございました!
聞けば聞くほど、ご自宅への愛着の感じとれる熱意あるインタビューでした。
細部まで計算されたDさんこだわりのインテリアも必見です!
次回はぜひ快晴の青空の日にお伺いさせて頂きます!!
緑豊かな住宅街の中に建つ住宅。外観の窓配置、大きさ、植物の設置位置などについてパースや模型を使い、日常の生活でどのように見えるのかを何度も検討を重ねながら家づくりをすすめた。外壁の色は将来グレー色に塗り替えることを想定し、各所パーツの色も考慮した上で真っ白の外壁色を選定。内部については、既にお持ちである家具や照明、インテリアポイントとなるアートフレームなどを「どこに置けば映えるのか?」を具体的に考えながらインテリアデザインを施主と共に打合せして決定していくことができた。また、実際の施工事例を東京から来阪した上で確認して頂き、弊社の事例に無い実験的な部分も含め積極的に検討し、度重なる話をしながらひとつずつ形にすることができた。これから時間の経過と共に変化していく姿が楽しみな住宅である。